Elastic Pool Billingについて
エラスティック・プールの請求は、コンピュート・リソース(ECPU使用量)のみで構成され、すべてのコンピュート使用量は、プール・リーダーであるAutonomous Databaseインスタンスに請求されます。ストレージ使用量に対する請求は、インスタンスがエラスティック・プールにあるかどうかに関係なく、個々のAutonomous Databaseインスタンスに個別に課金されます。
エラスティック・プールを使用すると、コンピュート・リソース請求の観点からAutonomous Databaseインスタンスを統合できます。エラスティック・プールは、Autonomous Databaseインスタンスに適用される点を除き、携帯電話サービス「ファミリ・プラン」のように考えることができます。データベースごとに個別に支払うかわりに、データベースはプールにグループ化され、1つのインスタンス(リーダー)がプール全体に関連付けられたコンピュート使用量に対して課金されます。
エラスティック・プールを使用すると、選択したプール・サイズで最大4倍のECPU数をプロビジョニングでき、データベース・インスタンス当たり最大1 ECPUのエラスティック・プールにあるデータベース・インスタンスをプロビジョニングできます。エラスティック・プールの外では、データベース・インスタンス当たりの最小ECPU数は2 ECPUです。たとえば、プール・サイズが128の場合、512のAutonomous Databaseインスタンスをプロビジョニングできます(各インスタンスに1つのECPUがある場合)。この例では、プール・サイズのコンピュート・リソースについて、128 ECPUのプール・サイズに基づいて請求され、512 Autonomous Databaseインスタンスにアクセスできます。一方、エラスティック・プールを使用せずに512個のAutonomous Databaseインスタンスを個別にプロビジョニングする場合、Autonomous Databaseインスタンスごとに少なくとも2個のECPUを割り当てる必要があり、この例では1024個のECPUに対して支払います。エラスティック・プールを使用すると、コンピュート・コストを最大87%削減できます。
エラスティック・プールを作成すると、特定の時間の合計ECPU使用量が、プール・リーダーであるAutonomous Databaseインスタンスに請求されます。プール・リーダーを除き、プール・メンバーである個々のAutonomous Databaseインスタンスは、エラスティック・プールのメンバーである間、ECPU使用に対して課金されません。
エラスティック・プール請求は次のとおりです。
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集計されたピークECPU使用率の合計が、特定の時間のプール・サイズ以下の場合、ECPUのプール・サイズ(プール・サイズの1倍)に対して課金されます。
エラスティック・プールの作成後、プールの一部であるデータベースが停止された場合でも、少なくともプール・サイズ率の1倍のECPU請求が続行されます。これは、プール・メンバー・データベースおよびプール・リーダーに適用されます。
つまり、プールの集計されたピークECPU使用率が、特定の時間のプール・サイズ以下の場合、ECPUのプール・サイズ数(プール・サイズの1倍)に対して課金されます。これは、これらのデータベースがエラスティック・プールを使用せずに別々に請求される場合の最大87%のコンピュート・コスト削減を表します。
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プール・リーダーおよびメンバーの集計されたピークECPU使用率が、特定の請求時間の任意の時点でプール・サイズを超えている場合:
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プールの集計済ピークECPU使用率が、プール・サイズECPU数の2倍以下: 1回より大きい使用量の場合ECPUのプール・サイズ数、および特定の請求時間におけるECPU数の2倍以下: 時間単位請求は、ECPUのプール・サイズ数の2倍です。
つまり、プールの集計されたピークECPU使用率がプール・サイズを超えているが、特定の時間のプール・サイズの2倍以下の場合、ECPUのプール・サイズ数の2倍(プール・サイズの2倍)に対して課金されます。これは、これらのデータベースがエラスティック・プールを使用せずに別々に請求される場合の最大75%のコンピュート・コスト削減を表します。
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プールの集計済ピークECPU使用率が、プール・サイズECPU数の4倍以下: 使用量がプールの2倍を超える場合ECPUのサイズ、および特定の請求時間におけるECPUのプール・サイズ数の4倍までを含む: 時間単位の請求は、ECPUのプール・サイズ数の4倍です。
つまり、プールの集計されたピークECPU使用率が、特定の時間のプール・サイズの2倍を超えた場合、ECPUのプール・サイズ数の4倍(プール・サイズの4倍)に対して課金されます。これは、これらのデータベースがエラスティック・プールを使用せずに別々に請求される場合と比較して、最大50%のコンピュート・コスト削減を表します。
たとえば、プール・サイズが128 ECPUで、プール容量が512 ECPUのエラスティック・プールを考えてみます。
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ケース1: プール・リーダーおよびメンバーの集計されたピークECPU使用率は、午後2時から午後2時30分までの40 ECPU、午後2時30分から午後3時までの128 ECPUです。
エラスティック・プールは、この請求時間(午後2時から午後3時)について、プール・サイズの1倍のECPUに請求されます。このケースは、請求時間のエラスティック・プールのピーク集計ECPU使用量が128 ECPU以下の場合に適用されます。
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ケース2: プール・リーダーおよびメンバーの集計されたピークECPU使用率は、午後2時から午後2時30分までの40 ECPU、午後2時30分から午後3時までの250 ECPUです。
エラスティック・プールには、この請求時間(午後2時から午後3時)について、プール・サイズの2倍の256 ECPUが請求されます。このケースは、請求時間のエラスティック・プールのピーク集計ECPU使用量が256 ECPU以下で、128 ECPUを超える場合に適用されます。
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ケース3: プール・リーダーおよびメンバーの集計されたピークECPU使用率は、午後2時から午後2時30分までの80 ECPU、午後2時30分から午後3時までの509 ECPUです。
エラスティック・プールには、この請求時間(午後2時から午後3時)について、プール・サイズの4倍の512 ECPUが請求されます。このケースは、請求時間のエラスティック・プールのピーク集計ECPU使用量が512 ECPU以下で、256 ECPUを超える場合に適用されます。
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詳細は、Autonomous Databaseでエラスティック・プールを使用して最大87%のコスト削減を達成する方法を参照してください。
プールの作成時または終了時のエラスティック・プール請求
エラスティック・プールが作成または終了されると、リーダーはエラスティック・プールの1時間分の請求を受けます。また、プールに追加または削除された個々のインスタンスは、インスタンスがエラスティック・プールにないときに発生するコンピュート使用量に対して請求されます(この場合、請求は個々のAutonomous Databaseインスタンスに適用されます)。
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プール作成の例: エラスティック・プールの一部ではない4つのECPUを持つAutonomous Databaseインスタンスがあるとします。午後2時15分に、このインスタンスのプール・サイズが128 ECPUのエラスティック・プールを作成すると、インスタンスはプール・リーダーになります。Autonomous Databaseが午後2時から午後3時の間にアイドル状態であり、プールに他のAutonomous Databaseインスタンスがない場合、午後2時から午後3時の間の時間の請求は次のようになります:
午後2時から午後3時の請求: (4 * 0.25) + 128 = 129 ECPU
(4 * 0.25)は、Autonomous Databaseインスタンスがエラスティック・プールを作成した15分前のコンピュートに対する請求で、128 ECPUはエラスティック・プールが作成された時間のエラスティック・プールに対する請求です。
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プール終了の例: エラスティック・プールのリーダーが4 ECPUのAutonomous Databaseインスタンスで、プール・サイズが128 ECPUであるとします。午後4時30分に、エラスティック・プールを終了すると、データベースはどのエラスティック・プールにも属さないスタンドアロンAutonomous Databaseインスタンスになります。Autonomous Databaseが午後4時から午後5時の間にアイドル状態になり、プールに他のAutonomous Databaseインスタンスがない場合、午後4時から午後5時の間の時間請求は次のようになります:
午後4時から午後5時の料金は、(4 * 0.5) + 128 = 130 ECPUです
(4 * 0.5)は、Autonomous Databaseインスタンスがエラスティック・プールを終了してから30分間のコンピュートに対する請求で、128 ECPUはエラスティック・プールが終了した時間に対するエラスティック・プールの請求です。
組込みツールによる柔軟なプール請求
プール・リーダーまたはメンバーの場合、組込みツールOML、グラフまたはデータ変換に割り当てられるコンピュート・リソースは分離されており、エラスティック・プールの合計割当てにはカウントされません。請求目的で、エラスティック・プール・リーダーは、エラスティック・プールECPU使用量に加えて、リーダーまたはエラスティック・プール・メンバーによる組込みツールECPU使用量に対して請求されます。
たとえば、プール・サイズが128 ECPUのエラスティック・プールがあるとします。特定の請求時間において、プール・リーダーおよびメンバーの集計されたピークECPU使用率が請求時間に対して80 ECPUである場合、およびこの時間中組込みツールを使用するインスタンスの合計ECPU使用率の合計は30 ECPUで、リーダーはプール・サイズ(128 ECPU)と組込みツールECPU使用量(30 ECPU)に対して課金され、その時間に対して合計158 ECPUになります。
Autonomous Data Guardによるエラスティック・プール請求
エラスティック・プール・リーダーまたはメンバーは、ローカルまたはクロスリージョンのAutonomous Data Guard、またはローカルとクロスリージョンのAutonomous Data Guardの両方を有効にできます。スタンバイがローカルかクロスリージョン・スタンバイかに応じて、スタンバイがプール・リーダーかプール・メンバーか、エラスティック・プール・リーダーかプール・メンバーのどちらかによって、請求内容が異なります。Autonomous Data Guardスタンバイ・データベースの場合、エラスティック・プール・リーダーがスタンバイのコンピュート使用量に対して課金されるか、個々のスタンバイ・インスタンスが個別に課金されます。
OCI使用状況レポートのElastic Pool使用状況の詳細およびOCI_USAGE_DATA
ビュー(2025年1月31日までのレコードの場合)
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)の使用状況レポートでエラスティック・プールの使用状況の詳細な内訳を取得でき、この情報はOCI_USAGE_DATA
ビューにも表示されます。詳細は、コストおよび使用状況レポートおよびOCI_USAGE_DATA_EXTビューを参照してください。
OCI使用状況レポートおよび
OCI_USAGE_DATA
ビューは、2025年1月31日までレコードに使用できます。OCI使用状況レポートは非推奨です。2025年7月31日まで、既存の使用状況レポートのCSVファイルへのアクセスを続行できます。詳細は、「コストと使用状況レポート」を参照してください。
次の表に、OCI使用状況レポートのproduct/resource
列の値を示します。OCI使用状況レポートには、プール・リーダーおよび特定の請求時間におけるプール・メンバーのエラスティック・プール使用状況の詳細が表示されます(同様の情報はOCI_USAGE_DATA
ビューで入手できます)。
エラスティック・プール使用タイプ | 表示された請求時間値 |
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メンバー・コンピュート使用状況 |
OCI使用状況レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
ノート
メンバーにローカルのAutonomous Data Guardスタンバイがある場合、その最繁時使用量は最繁時2回(2 x )として報告されます。詳細は、Autonomous Data Guardが有効になっているElastic Pool Billingについてを参照してください。
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リーダー・コンピュートの使用状況 |
OCI使用状況レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
ノート
リーダーにローカルのAutonomous Data Guardスタンバイがある場合、その最繁時使用量は最繁時2回(2 x )として報告されます。詳細は、Autonomous Data Guardが有効になっているElastic Pool Billingについてを参照してください。
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集計プール・コンピュート使用量 |
OCI使用状況レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
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OCI使用状況レポートおよびOCI_USAGE_DATA
ビューのエラスティック・プール請求情報に関するノート:
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エラスティック・プール集計のピークECPU使用量が、終了したデータベースに表示されます。
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データベースがエラスティック・プールのメンバーであった請求時間中にエラスティック・プールの一部だった非プール・データベースに対して、エラスティック・プール集計ピークECPU使用量が表示されます。
詳細は、請求情報: Autonomous Transaction Processing ECPUコンピュート・モデルおよびAutonomous Databaseビューを使用したOracle Cloud Infrastructureリソース、コストおよび使用状況レポートの追跡を参照してください。
OCIコスト・レポートのElastic Pool Usage Detailsおよび2025年1月31日以降のレコードのOCI_COST_DATA
View
Oracle Cloud Infrastructure (OCI)コスト・レポートでエラスティック・プールの使用状況の詳細な内訳を取得でき、この情報はOCI_COST_DATA
ビューにも表示されます。詳細は、コストおよび使用状況レポートおよびOCI_COST_DATA_EXTビューを参照してください。
次の表に、OCIコスト・レポートのproduct/resource
列の値を示します。OCIコスト・レポートには、特定の請求時間のプール・リーダーおよびプール・メンバーに対するエラスティック・プールの使用状況の詳細が表示され、OCI_COST_DATA
ビューでも同様の情報を参照できます。
エラスティック・プール使用タイプ | 表示された請求時間値 |
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メンバー・コンピュート使用状況 |
OCIコスト・レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
ノート
メンバーにローカルのAutonomous Data Guardスタンバイがある場合、その最繁時使用量は最繁時2回(2 x )として報告されます。詳細は、Autonomous Data Guardが有効になっているElastic Pool Billingについてを参照してください。
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リーダー・コンピュートの使用状況 |
OCIコスト・レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
ノート
リーダーにローカルのAutonomous Data Guardスタンバイがある場合、その最繁時使用量は最繁時2回(2 x )として報告されます。詳細は、Autonomous Data Guardが有効になっているElastic Pool Billingについてを参照してください。
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集計プール・コンピュート使用量 |
特定のプール・リーダーについて、コスト・レポートの 次の問合せを使用して、同じ使用方法の詳細を
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OCIコスト・レポートおよびOCI_COST_DATA
ビューのエラスティック・プール請求情報に関するノート:
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エラスティック・プール集計のピークECPU使用量が、終了したデータベースに表示されます。
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データベースがエラスティック・プールのメンバーであった請求時間中にエラスティック・プールの一部だった非プール・データベースに対して、エラスティック・プール集計ピークECPU使用量が表示されます。
詳細は、請求情報: Autonomous Transaction Processing ECPUコンピュート・モデルおよびAutonomous Databaseビューを使用したOracle Cloud Infrastructureリソース、コストおよび使用状況レポートの追跡を参照してください。